日本の中部地方 濃尾平野を流れる長良川沿いには古くから受け継がれてきた名高い伝統工芸の数々が息づいています。
イタリアのアマルフィと姉妹都市関係を結んでいる、美濃市で作られる美濃和紙を用いた手づくりの “うちわ” 、フィレンツェと姉妹都市の関係にある岐阜市で作られる “和傘” など、多くの手工芸の伝統がこの地で脈々と受け継がれてきました。
静寂と日本家屋の木の香りに包まれながら、畳に正座し、緑茶をすすりつつ、黙々と作業に打ちこむ職人の傍らで、その手から生み出される美濃和紙を用いた伝統工芸品の数々を見学することは、さながら日本の文化と伝統の真髄をそのまま体感しているような経験でした。
日本の美しい文化遺産の魅力をイタリアの読者の皆様に紹介し、より饒舌に語れるよう、今回、日本を訪問しましたが、あらためて、これから始まるこのプロジェクトに対する情熱、
つきない探求心、責任をかみしめるとともに、悠久の歴史を持つ魅惑の国、“日本“ からイタリアへとつながる新しい絆を構築していくことに限りない歓喜の思いを感じています。